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会社が給料を「基本給」と「手当」に分ける理由

お金の仕組みと考え方

三浦 直紀

筆者 三浦 直紀

不動産キャリア4年

元銀行員・宅建士・FP・貸金業務取扱主任者・日本金融教育支援機構認定講師
お金に強い宅建士として、住まいと資金計画に役立つ情報を分かりやすくお伝えしています。

2026327日に公表された連合の2026春闘第2回回答集計では、平均賃金方式の賃上げ率は5.12%でした。

一方、厚生労働省の毎月勤労統計調査では、2025年の現金給与総額は前年比2.3%増だったものの、実質賃金は1.3%減でした。さらに20261月速報では、名目賃金は3.0%増、実質賃金は1.4%増と持ち直しも見られます。

賃上げが話題になる今だからこそ、「月給の総額」だけでなく「給与の中身」を見ることが大切です。

 

給与明細を見ると、

基本給18万円、家賃手当5万円、○○手当3万円で合計26万円、というケースがあります。

「それなら最初から基本給26万円でいいのでは?」

そう感じる方も多いのではないでしょうか。

 

もちろん、すべての会社が悪意をもって分けているわけではありません。

ただ、会社側にとっては、基本給と手当を分ける合理的な理由が3つあります。

 

▶︎1つ目は残業代

残業代は、一定の手当を割増賃金の基礎から除外できる仕組みがあります。

基本給だけで決まるわけではありませんが、法律上、家族手当、通勤手当、別居手当、子女教育手当、住宅手当など、一定の手当は割増賃金の基礎から除外できます。

しかも住宅手当は、名前だけで除外できるわけではなく、住宅費用に応じて支給されるものに限られ、一律定額なら除外されないとされています。

つまり、給与設計によって会社の残業代負担は変わりうるということです。

 

▶︎2つ目はボーナス

基本給によって、「か月分」の見え方に差が出ます。

賞与は法律で一律に義務づけられているものではありませんが、支給する場合は就業規則などで支給時期や算定基準を明確にしておく必要があります。

会社によって賞与の設計は異なりますが、基本給を基準にしている会社であれば、同じ月給総額でも、基本給の額によって支給額や「か月分」の見え方に差が出やすくなります。

 

▶︎3つ目はカットや減給の影響

基本給は下げづらくても、手当ならカットしやすい。

月給の総額が同じでも、基本給が低く手当が多い給与設計だと、残業代や賞与の計算に差が出ることがあります。

だからこそ、求人票や労働条件通知書では、「総額」だけでなく「基本給」と「手当の内訳」まで確認したいところです。

厚生労働省も、採用時には賃金などの労働条件を書面などで明示する必要があると案内しています。

 

実際、公的統計でも給与は中身ごとに分けて見られています。

厚生労働省の2025年賃金構造基本統計調査では、一般労働者の賃金は34.06万円でした。

この調査でいう「賃金」は、20256月分として支払われた所定内給与額の平均で、超過労働給与額を差し引いた額として定義されています。

つまり、公的統計でも「毎月の基本的な給与」と「残業代など」は分けて把握されているわけです。

 

給与は、毎月の手取り額だけを見て判断しがちです。

しかし、手取りだけを見ていると、同じ月給でも中身が違うという大事な点を見落としやすくなります。

 

これからの時代は、

いくらもらっているかだけでなく、

どういう内訳でもらっているかまで見ないと、気づかないうちに損をすることがあります。

収入の土台を正しく理解できなければ、資産設計もしづらくなるからです。

 

本当に見るべきなのは、「月給26万円」という数字だけではありません。

基本給はいくらか。

手当は何に対して支払われるのか。

賞与や残業代にどう関わるのか。

そこまで見て、はじめてその会社の本当の給与条件が見えてくるのだと思います。

 

ルールを守り、真面目に働く人が損をしないためにも、手取りだけでなく、給与の中身まで見ていく視点を持ちたいものです。

 

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